白ありの予防をべた基礎で行う時の誤った方法
白ありの予防をべた基礎で行う時の誤った方法
べた基礎の時の白あり予防法として、日本しろあり対策協会が発行する標準仕様書(作業要領書のようなもの)に誤った方法の記載がありますのでご紹介します。
べた基礎の時は布基礎と比較して、べた基礎というだけで「防蟻性能」に優れています。
どういう意味かと言いますと、白ありというのは本来は土の中にいて、巣の拡大であったり、エサを求めてといった理由で地上に上がって来ようとします。
その際に布基礎であれば比較的らくに上がって来られるところを、べた基礎ですと、地表にどっしりとコンクリートの壁が広がっていますから、床下へ侵入するのは不可能とは言いませんが、かなり困難です。
そして冒頭の話に戻りますが、しろあり対策協会(略称:白対協)の標準仕様書では、このせっかくのコンクリートの底面に、「予防」の為にわざわざ穴をあけるという作業があります。
どうしても駆除しなくてはならない巣が、その地下にあるという根拠があるなら理解もしますが、予防のためには。。 理解に苦しみます。
べた基礎の白あり被害が一番多いのが玄関ですので、玄関ポーチなどの基礎の側面でしたら、我々も予防の目的で穿孔して薬剤を注入しますが、床下のべた基礎の底面は、現場を知らない素人としか思えません。
その大きな理由は、まず白ありの侵入経路をわざわざ作ってあげている点です。
次に穴をあけてべた基礎下の土壌に液体の薬剤を注入しても、薬剤は意外と浸み込みませんし広がりませんので、穴をあけた周辺の数cmの範囲にしか薬剤が行き渡りません。
(試してみるとお分かりになりますが、敷き詰められた土というのは、意外と液体が浸み込みません)
大事な基礎にわざわざ穴をあけた割りに、大した予防ができていないのです。
そして最後に、あけた穴をもう一度コンクリ―トで埋め戻しても、底の方にはうまくコンクリ―トが届かず(充填されず)、もとのような平らな底面にはなりません。
つまり床下のべた基礎は、表面的には平らになったように見えますが、裏側の地面に接している側は、意外とデコボコなのです。
一体のコンクリ―ト面にこのような段差(デコボコ)があると、白ありはそこで立ち止まり、段差部分をかじるという行為が発生します。
白ありはそのような形状の変化に敏感に反応し、かじる習性があります。
そうなるとべた基礎を突破される可能性が高まってきます。
日本しろあり対策協会は、発足当時は確かに意味のある組織でしたが、最近は少し方向性がズレている点があることも否めませんし、それを何の疑問も持たず鵜呑みにしている業者もたくさんいますので、どうかお金を払って白ありに侵入されやすいお家にされませんよう、お気を付けいただきたいと思います。
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