羽蟻とシロアリの違いは?大量発生の原因は? 愛知、岐阜

羽蟻とシロアリの違いは?大量発生の原因は? 愛知、岐阜

 

羽蟻(はねあり)は、簡単に言うと白蟻に羽が生えただけですが、実はそこには理由があります。
白蟻は生まれて間もなく、巣の中で働き蟻(職蟻:しょくぎ)として活動し始めます。
それが1つの巣の中で、90%以上という水準で存在します。
さらに兵隊蟻(兵蟻:へいぎ)が全体の3%程度、女王蟻と王蟻が1匹ずつ存在しています。

そして女王や王などの生殖機能を持つ階級の候補が、3%ほど存在しており「ニンフ」と呼びますが、これが羽蟻になります。
白蟻は生まれた時は、この先に職蟻になるのか、兵蟻になるのか、または生殖階級になるのかは決まっていません。
これはその時の女王が、巣内にいる各階級の白蟻たちのバランスを見て、それぞれが理想的な数になるようにフェロモンを出すんだそうです。
すると不思議なことに、そのフェロモンの影響を受けてある者は職蟻に、ある者は兵蟻に、またある者はニンフになるんだそうです。
では、羽蟻が発生する(群飛:ぐんぴする)理由としては、

羽蟻は別の場所にも営巣して、仲間を増やすために飛び立つ、と思われがちですが、実はそうではありません。

本当の理由は

白蟻が巣内に増えすぎたから、口減らし(≒リストラ)をする為

なのです。
(これを知らないしろあり業者はたくさんいます)

 

ヤマトシロアリでは、1つの巣内に数100~数1,000匹の白蟻がいますので、仮に2,000匹とします。
このうちの2%が羽蟻(ニンフ)として巣の外へ飛んでいきますので、約40匹になりますね。

そして群飛した羽蟻の生存率は、一般的に0.1%以下と言われていますので、ここから生存率を計算すると、、0.04匹程度となり、基本的に全滅ということになります。

ちなみにこれがイエシロアリの場合でも、ヤマトシロアリの100倍程の数で活動しますが、4匹くらい生き残るかな?というレベルになります。
これも4匹がまとまって同じお家の床下に侵入するわけではなく、みんなバラバラに飛びますし、羽蟻の飛行距離は、よく飛んでも数百メートルほどで、それくらい飛ぶと自然に羽が抜け落ちて、あとは自力で歩いて進むしかありませんので、同じ場所に行きつく確率は殆どありません。

 

白蟻は集団でしか生きていけない生き物です(個体では生活できない)ので、仮にその時は生き残ったとしても、その後も生き続けて、もとのような数万や100万匹というレベルの巣を形成するのはかなり厳しいのです。
それでも巣の中が満員電車のようになっていては、飛び立たせるより仕方ないですので、それならば少しでも生き残る可能性が高い時期に飛ばそうということで、必ず4月や6月など気候が良くて、適度に湿気のある頃に飛び立ちます。
よって、上記の2種類に関しては、寒い時期には飛び立ちません。

話を戻しますが、女王が全体のバランスを見てフェロモンを出す時、ニンフの数を増やしたということは、

「巣の中に白蟻が増えすぎたから、ちょっと数を減らそう」

と判断したということになります。
そして先述のとおり、種類によって異なりますが、「4月~7月あたり」でないと飛び立てませんので、冬場に白蟻が増えすぎた場合はどうするのか?というと、この場合は巣の隅っこの方にかたまって、その時期まで待つのです。
ですのでそれまでに、もし何らかの理由により白蟻の数が減ってしまったら、口減らしをする必要がありませんので、再び女王がフェロモンを出して、羽蟻の羽が取れて普通の白蟻に戻ります。

また、飛び立つ時期までにもっと数が増えてしまった場合には、待機している羽蟻たちは、他の白蟻たちに共食いされてしまいます。

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