シロアリ薬剤の散布方法を比較してみましょう 愛知、岐阜
シロアリ薬剤の散布方法を比較してみましょう 愛知、岐阜
現在のシロアリ業者は、薬剤を床下全域にばらまいていきます。
ベタ基礎でも布基礎でも、床下に水たまりができるほど大量にまいていきます。
量にして約200Lで、これはお風呂一杯分のお水に相当します。
床下に水溜まりができるのも無理はありません。
本来 薬剤というのは、きちんと点検をして、各お宅の構造など、さまざまな環境、そしてシロアリの生態に合わせて、的を絞って使用されるべきものです。
しかし昨今のシロアリ業者は、床下に水たまりができるほど大量にまいていきます。
それはなぜかと言いますと、
その前にシロアリの生態や、シロアリの種の分布について少しご説明しておきます。
シロアリの生態としろあり対策協会
現在、日本に生息する主なシロアリは、ヤマトシロアリとイエシロアリという2種がいます。もちろん厳密にはもっとたくさんいます。
簡単にご説明しますとヤマトシロアリというのは、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国に生息する種で、集団の規模はそれほど大きくないため、予防や駆除も比較的容易です。(あくまでも比較的)
一方のイエシロアリは、主に西日本や九州など南の方に生息しており、集団の規模はヤマトシロアリの約数10倍~100倍というレベルです。
お分かりのとおり、イエシロアリに対峙するシロアリ業者は非常に大変です。
数十年前のイエシロアリ地域では、駆除方法や生態に詳しくない業者のせいで、シロアリをきっちり駆除できず、毎年のように再発してお客さまにクレームを付けられたり、訴えられたりというトラブルも増えました。
よって彼らを指導する団体(組織)が必要になりました。
そこで設立されたのが、西日本白蟻対策協議会という組織でした。これも数十年前のことです。
ここでは様々なシロアリ技術者(業者)が集まり、イエシロアリの駆除方法などについて議論、検討がされました。
技術力や学力に優れた技術者は、シロアリの生態を十分に理解し、有効に薬剤を使用してイエシロアリの駆除方法を確立していきましたが、
そうでない技術者は最終的に「とりあえず薬剤を大量にまく」
という残念な方法に頼らざるを得なくなりました。もちろんこの方法でも、イエシロアリを駆除するには十分ではありませんが。
これが現在の大量散布という黒歴史の始まりです。
現在、日本しろあり対策協会という社団法人がありますが、この前身が先述の西日本白蟻対策協議会です。
もともと西日本で、比較的対処が容易なヤマトシロアリよりも、対処が大変な「イエシロアリ」をターゲットに発足した組織ですが
活動範囲を拡大して「日本全域」となったことで、イエシロアリのいないヤマトシロアリだけの地域(中部地方や東日本以北)の業者もたくさん参加するようになりました。
シロアリ薬剤と業者
するとヤマトシロアリ地域のシロアリ業者も、イエシロアリ駆除で多くの業者が実施していた
「大量散布」
をマネするようになりました。
比較的対処が容易なヤマトシロアリにおいては、明らかに過剰な施工です。
ヤマトシロアリの約100倍という規模のイエシロアリだからこそ、床下全域にばらまくという苦肉の策が必要だったのに、規模の小さいヤマトシロアリには明らかに「やり過ぎ」であることはご理解いただけるかと思います。
そして多くの業者は「シロアリの生態を十分に理解」し「薬剤を有効に使用する」という本来の意味を理解しないまま、薬剤の大量散布が主目的となってしまったのです。
恐らく現在の現場のシロアリ業者は、このような経緯すら知らない人がほとんどです。
よって自分たちが行っている作業の意味も、本質的には分かっていない可能性も十分あります。
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