シロアリの羽アリが発生する理由 愛知、岐阜

シロアリの羽アリが発生する理由 愛知、岐阜

 

 

・シロアリと羽アリ

 

まずシロアリと羽アリの関係性からご説明しておきます。
シロアリは元来、羽は生えていません。羽アリというのは、ある一定の条件の元で普通のシロアリに羽が生えてきた状態です。
よって羽アリというのは「羽の生えたシロアリ」と言うことになります。

シロアリの組織には次のような階級があります。

図中のニンフと呼ばれる階級は、次期女王や王などの幹部候補で、当然生殖機能も持ち合わせています。

※生殖機能:卵を産むための機能で、働きアリや兵隊アリなどは産卵はできません。

なぜ生殖機能を持った階級に羽が生えて来て、羽アリとなるのかは後ほどご説明します。

 

 

・シロアリの種類

 

日本国内に生息する主な種には「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」がいます。(もちろん他にもたくさん種類はいます)

ヤマトシロアリは、北海道~沖縄まで日本全国に分布しています。(ヤマトという名前が付いてくらいですから)
一つの集団で活動するシロアリの数は数千~1万匹程度です。
(この数が多いのか少ないのかは、次のイエシロアリのデータをご覧いただければ分かります)

一方のイエシロアリは、主に西日本や九州などの温かい地域に生息しています。(愛知県や関東地方にも一部生息が確認はされています)
一つの集団で活動するシロアリの数は、数十万~100万匹に達する場合もあります。
ヤマトシロアリと単純に比較しても、約100倍というレベルの規模です。

※よくシロアリの被害で、お家がボロボロに、、という映像を見かけますが、それは基本的にはイエシロアリのものです。
活動数からも類推できますが、例えばイエシロアリが1ヵ月でできることが、ヤマトシロアリだと単純に100ヵ月(8年以上)かかる計算になります。

しかし愛知県(三河の一部を除く)や岐阜県では、99.9%が規模が小さい方の「ヤマトシロアリ」が対象ですので、少し恵まれていますね。

 

 

・羽アリが飛ぶ理由

 

普通のシロアリ業者がお客さまに対して、「羽アリが発生する理由は巣別れで

すよ」と説明していますが、実はそうではないことが分かって来ました。
※土の中から外の世界へと飛び立った羽アリの生存率は、0.01%とも言われています。
これはヤマトシロアリでは基本的に全滅に値する数字です。
イエシロアリですら1、2匹残るかどうかという数字です。
ですので巣別れを目的としているとしたら、とても辻褄が合いません。

 

羽アリが飛ぶ理由は、ズバリ「口減らし」です。
シロアリの数が増えすぎた(女王アリが産卵しすぎた)場合に、ニンフという生殖機能を持った階級に羽を生やし、口減らしとして外の世界に放出するのです。
巣の大きさに対してシロアリの数が多過ぎると、当然 居場所が無くなります。またはエサの量に対してシロアリの数が多過ぎても、口減らしをしてエサを確保するしかありません。
そのような理由で羽アリは発生するのです。

つまり逆に言いますと、羽アリが出るということは、ある程度 習熟したシロアリの集団がそこにいる、ということになります。
口減らしができるくらいですから。

 

 

・羽アリが飛ぶ時期

 

羽アリが飛ぶ時期はある程度決まっています。
ヤマトシロアリであれば、ゴールデンウィーク前後の4月~5月です。
イエシロアリは、梅雨時の6月~7月くらいが目安になります。

先述のとおり、羽アリとして群飛しても殆ど全滅なのですが、飛び立たせるからには、せめて少しでも生き残る可能性は高めてあげたいというのが親心なのでしょう。
シロアリは湿度や湿気が無いと生きていけませんので、それぞれの種にとって最適な湿度となるのが上記の時期なのです。

ですので基本的に上記の時期以外に発生する羽アリは、この2種ではない可能性が高いです。(例えば黒蟻であったり)

 

 

・羽アリの対処法

 

羽アリの対処法は、まず発生した羽アリは、私たちの目に見える範囲にいるものは、放っておけば1日もあれば死んでしまいますので、そうしたらホウキとチリトリでお掃除してあげて下さい。
そして先述のとおり、羽アリが出たということは、それなりの集団が近くにいますので、シロアリ業者に連絡して、まずは点検をしてもらいましょう。
それによって、お客さまごとの環境に合った対処をしてもらいましょう。

 

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