ベタ基礎でシロアリが発生するのはどんな時? 愛知、岐阜
目次
ベタ基礎でシロアリが発生するのはどんな時? 愛知、岐阜
ベタ基礎は、シロアリ予防に対しては布基礎よりも防蟻性が高いです。
下の図は、左側がベタ基礎で、右側が布基礎です。それを横から見た断面図ですが、明らかにベタ基礎の方が、土の中から上がってくるシロアリに対して、アドバンテージがあります。
布基礎の方は、土の中から上がってきたシロアリはどこからでも、基礎に沿って床上の木部に侵入できますが、ベタ基礎の方は基本的に基礎の外周に回らないと入れません。
しかしそんなベタ基礎でも、シロアリの発生が「ゼロ」ではありません。(防蟻性が100%ではありません)
どのようなところから発生(侵入)するのかご紹介していきます。
被害が一番多いのは玄関付近
ベタ基礎のシロアリ発生個所の一番は、玄関周りです。
これは「シロアリの生態」と「家屋の構造」が運悪く合致して起こります。
シロアリの習性として、シロアリは温度の変化にはとても敏感です。
土の中から巣を掘りながら上がってきて、ベタ基礎の底面(裏面)にぶち当たった場合、どっちの方向に進むかを決める時、必ず温度の高い方へ向かいます。
シロアリはもぐら等と同様、普段は土の中の暗いところで生活していますから、視力が殆どありません。
(目が見えません)
そのせいで温度にはとても敏感で、床上の木部に侵入した場合でも、居住者が多く集まる部屋や暖かい部屋などの方へ蟻道を延ばします。(冬場は人が居る部屋には暖房があります)
ですので、玄関というのは多くの場合は南側に作られています。
もし土の中にシロアリがいる場合で、ベタ基礎のお宅では玄関に集まる傾向があります。
そして家屋の構造において、玄関から侵入されやすい理由としては、玄関ポーチ(玄関前のちょっとした階段部分)を作る際、基礎を打ってから後付けされる事もありますし、基礎と一体打ちになっていることもあります。
(この理由は、建築屋さんが後付けした方が作るのが簡単であったり、基礎を打つ段階では玄関ポーチの仕様が決まっていなかったりなどまちまちです)
後付けの玄関階段の中身は「土」ですので、土の中からベタ基礎の底面にぶち当たったシロアリの集団は、そのまま温かい玄関の方へ掘り進み、いずれは基礎と玄関階段の隙間に到達し、そこから基礎に沿って上へあがり、玄関のサッシなどの隙間から家屋へ浸入します。
よって定期点検では注意するポイントですし、必要に応じて玄関サッシや土間や三和土(たたき)周辺には、数ミリの細いドリルで穿孔して、コンクリの内部に薬剤を注入するポイントになります。
玄関と同じ理由で「勝手口」も侵入されやすい
勝手口は概ね北側などの日の当たらない場所に作られますので、温度は高くなりにくい所ですが、勝手口の階段も玄関同様、後付けのケースもありますので、そういった理由ではシロアリの侵入を警戒するポイントになります。
ベタ基礎を垂直に貫通する給排管があれば侵入される
これは土の中から掘り進んできたシロアリが、ベタ基礎の底面にぶち当たって底面に沿って進んでる途中で、そこに床下まで通じる配管などがあれば、当然そこから直接侵入します。
これは多くの場合、建築屋さんのミスです。
せっかくの防蟻性を損なうようなことをしてはいけません。
しかし、いずれの場合でも定期的に点検さえしていれば、愛知県(三河の一部を除く)や岐阜県では、シロアリの生息種の99%がヤマトシロアリですので、イエシロアリと比べて大した被害にはなりにくいです。
コメント
- トラックバックは利用できません。
- コメント (0)
この記事へのコメントはありません。