シロアリと断熱材と対策 気密についても解説
シロアリと断熱材と対策 気密についても解説
初めに断熱と気密について、簡単にご紹介します。
断熱の基本は、居住空間の室温を保つことです。
最近では高気密、高断熱の住宅が増えてきていますが、断熱性を高めるためには断熱材を使うことだけでなく、気密性を高めることにも気をつけなければなりません。
少しのすき間でも、いろいろな問題が生じるため、壁や床、天井などにしっかりとすき間なく断熱材を入れて、居住空間をキッチリと包み込む必要があります。
また断熱の工法には、壁内に断熱材を充てんする、充填断熱工法(内断熱)と、外壁の仕上げ材に断熱材を張り付ける、外張り断熱工法(外断熱)があります。
現在の木造住宅では、グラスウールなどを壁内に充填する、充填断熱が一般的です。
シロアリと断熱材
さてそんな断熱材とシロアリの関係ですが、最もやってはいけない断熱材の使用方法は、ズバリ基礎に断熱材を張ることです。
何故かと言いますと、その前に少しシロアリの生態に触れておきたいと思います。
シロアリは土壌性の生き物ですので、基本的には土の中にいますが、それが巣の拡大やエサを求めて、といった理由で床下(地上)に上がってきます。
シロアリというのは、実はとてもデリケートな生き物ですので、外気にさらされては生きていけません。
下の画像をご覧いただくと、表面がぶよぶよと言いますか、ぷにょぷにょして見えませんか?
シロアリというのは、普通のアリやセミのような硬い身体は持ち合わせていませんので、外気にさらされると過度に乾燥するため、それを嫌います。
ではどうやって床下に上がって来るのかというと、土の中を掘ってきた土の粒を、基礎などに沿って積み上げていきます。
それはちょうど縦に延びるトンネルのようなもので、これを蟻道と言いまして、土の粒と自分たちの便や体液等の水分で固めながら構築します。
水分を含んでいますので、トンネル内は密閉されており、彼らにちょうどよい温度と湿度で保たれています。
シロアリはこのトンネルを通って(構築しながら)上がってくる、と言いますか、むしろこれが無いと床下には上がって来れません。
つまり、蟻道を発見したらそこにはシロアリいるということですので、家屋に被害が出る前に対処ができるというわけです。
そしてようやく本題ですが、そんな時に基礎に断熱材が張り付けてあると、せっかくのシロアリを早期発見できるチャンスを逸してしまいます。シロアリは断熱材と基礎の間に蟻道を作って侵入しますから。。
というわけで、各部屋の壁内や屋根裏(小屋組み)への断熱材の充填や張り付けはいいですが、基礎への断熱材の張り付けだけは避けて下さい。シロアリ被害の発見の遅れになります。
断熱材のシロアリ対策
しかしどうしても基礎に断熱材を張りたい場合は、下図のように1,2cmでもいいので、断熱材にすき間を空けてあげて下さい。
そうすれば、その部分に蟻道が露出しますので、発見することができます。
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