木材腐朽菌とは? 含水率などの4条件とその対策

木材腐朽菌とは? 含水率などの4条件とその対策

 

 

愛知、岐阜でお世話になっています、シロアリの予防や駆除の資格を持った建築屋です。

「木材が腐る」とは簡単に言いますと、木材が一定以上の水分を含み、そこに菌類が発生し、

木材の成分が分解される=腐る=強度が落ちる

ことを指します。

今日は木材の腐朽(腐り)について少し詳しくお話ししたいと思います。

 

 

木材を腐朽させる菌類

木材を腐朽させる菌類には大きく以下の3種類になります。

 

褐色腐朽菌

白色腐朽菌

軟腐朽菌

 

褐色腐朽菌とは

褐色腐朽菌は、文字通り木材表面が褐色(茶色っぽい)に変色する菌類です。

この褐色は、リグニンの色と言われています。

その前に木材の主な成分について触れておきます。主な成分は以下の3種類になります。

 

セルロース:木材の50%がこれ。木材の繊維っぽい部分は基本的にセルロースです。鉄筋コンクリートで例えますと、鉄筋の部分と言えます。

ヘミセルロース:セルロース以外の水に対して不溶性の部分の総称。「セルロースに近いもの」です。鉄筋コンクリートで例えますと、コンクリでも鉄筋でもない、鉄筋をつないで支える「針金部分」とでも言いましょうか。

リグニン:これはコンクリートの部分に該当し、細胞壁であるセルロースなどを固める接着剤のような役割を果たします。

ちなみにシロアリはセルロースなどを栄養源としていますが、このリグニンは分解できませんので、そのまま便として排泄されます。

 

 

さて話がそれましたが、この褐色腐朽菌は上記の3つのうち、セルロースとヘミセルロースを分解します。

またリグニンをほとんど分解しません。

そして腐朽させる対象は、主に針葉樹になります。

針葉樹とは何か? これは中学時代に理科で習った「裸子植物」に該当します。

よって、松ですとか、スギ、ヒノキなどが該当します。これらの樹種は、その木材の特性から、建物の土台などに使われることが多いため、注意が必要です。

しかし私たちの生活に影響を及ぼすであろう菌類の中の比率で言いますと、10%くらいですのである程度の注意でいいかと思います。

 

白色腐朽菌とは

白色腐朽菌も文字通り、木材表面が白色に変色する菌類です。

こちらは野外などで倒木や枯れ枝に発生して、一般的には広葉樹を腐朽の対象としています。

では広葉樹とは? こちらも理科で習ったかと思いますが、「被子植物」に該当します。

被子植物といえば、桜ですとか、栗の木、ケヤキなどです。

こちらはお家の構造材に使われることもありますが、樹種の特性から、家具材などに使われることが多いようです。

そして腐朽菌類の90%がこの白色腐朽菌と言われています。

建築屋さんの考え方にもよりますが、こういった理由からも広葉樹材を家屋の構造上の重要な部分にはあまり用いないことが多いようです。

ただ樹種によって腐朽の度合いはケースバイケースですので、一概に言えない部分もあります。

 

木材腐朽菌が発生する含水率などの4条件とその対策 続きはこちら

 

 

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