木材の耐用年数や耐朽性 腐朽に強い樹種は?

 

木材の耐用年数や耐朽性 腐朽に強い樹種は?

 

 

湿気や経年による、お家に使用する材木の腐朽(ふきゅう=腐り)って気になりますね。

今日は、日本工業規格や日本農林規格に基づいた、材木の耐朽性耐用年数を予測する方法をご紹介したいと思います。

 

実際の木材を自然環境下に置いて耐朽試験を実施する方法として、野外杭試験というのがありますが、これは世界各国でも行われている一般的な方法です。

 

やり方は、実際の木材から 30mm×30mm×600mm の杭をいくつか作製して、この杭を半分まで土の中に埋めます。

その後、それぞれを定期的に抜き取ってモニタリング(観察)して、被害(木材の腐朽レベル)を見ていくものです。

被害の判断基準は、被害のない健全な状態を「レベル0」として、完全に崩壊した状態を「レベル5」と区分し、それぞれの杭の被害度の平均値を出します。

そしてその値が「2.5」に達した時の経過年数をその樹種(木材)の耐用年数とします。

これは杭を埋める場所(国や地域)によって結果が変わるため、その木材を使用する国や地域で試験するのが一般的です。

 

欅(ケヤキ)

 

この試験により、以下の例のとおり樹種によって、おおよその耐用年数が示されています。

 

<耐朽レベル大> 耐用年数が野外で7~8.5年

国産針葉樹:桧(ヒノキ)、桧葉(ヒバ)

国産広葉樹:欅(ケヤキ)、栗(クリ)

外国産:米桧(ベイヒ)、米桧葉(ベイヒバ)、米杉(ベイスギ)、レッドウッド

 

<耐朽レベル中> 耐用年数が野外で6~6.5年

国産針葉樹:杉(スギ)、唐松(カラマツ)

国産広葉樹:楢(ナラ)、樫(カシ)、山桜(ヤマザクラ)

外国産:米松(ベイマツ)※山林に生息のもの

 

<耐朽レベル小> 耐用年数が3~4.5年

国産針葉樹:樅(モミ)、赤松(アカマツ)、黒松(クロマツ)

国産広葉樹: -

外国産:米栂(ベイツガ)、欧州赤松(オウシュウアカマツ)、米松(ベイマツ)山林以外の河岸に生息のもの

 

<耐朽レベル極小> 耐用年数が2.5年以下

国産針葉樹:椴松(トドマツ)、蝦夷松(エゾマツ)

国産広葉樹:ブナ

外国産:米樅(ベイモミ)、スプルース、ホワイトウッド、ラジアタパイン(松)

 

といった具合です。

耐用年数は野外に置いた場合での数値ですので、一般的な家屋に使われる場合は、基本的に壁などに覆われて風雨にさらされませんので、耐用年数は30年以上のような数値になります。

 

また耐用年数が長い樹種を、土台、大引き、通し柱など家屋の構造上重要な部位に使用します。

 

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