乾材シロアリの対策と生息地域は?

乾材シロアリの対策と生息地域は?

 

乾材シロアリとは、ヤマトシロアリやイエシロアリのような土壌性のシロアリではなく、土壌とは関係を持たず、木の中にのみ生息するシロアリで、その中でも特に乾燥に対して強い傾向を表す言葉です。

※先述のヤマトシロアリやイエシロアリは非常に乾燥に弱く、湿気や水分がなくては生きられません。

しかしながら、床下を乾燥させれば問題ない、というわけではありません。

 

主な乾材シロアリに、アメリカカンザイシロアリという種がいます。

日本国内で生息が確認されている主な種です。

※小笠原諸島や沖縄の一部で、ダイコクシロアリという種が確認されていますが、本土ではまだ見つかったという報告はないようです。

 

 

乾材シロアリの生態

 

アメリカカンザイシロアリに代表される乾材シロアリ系についてですが、この種は基本的には日本国内では生息していないはずの外来種です。

どうやって日本に入ってきたかと言いますと、主に輸入した木材や、輸入家具の木部の内部に潜伏した状態で国内に持ち込まれたと考えられています。

 

モノによって、若しくは国によって、ある程度は燻蒸(くんじょう)処理されてはいますが、そこは全てを網羅するのが困難なのでしょう。

よって木材類を輸入する限り、今後も増加する(低減しない)可能性は高いです。

 

 

乾材シロアリの糞

 

また乾材シロアリ系が乾燥に強いというメカニズムについてですが、これは彼らが水分を必要としないわけではなく、一定の水分は摂取する必要があります。

そして一般的な木材は、乾燥処理などされていますが、水分が「0」というわけではなく、多少は残っています。

彼らはその少ない水分を含んだ木材を食べて、体内に取り込みますが、彼らの「直腸」が非常に発達しており、排泄にともなう水分のロスを防ぐべく、直腸で徹底的に水分を吸収します。

 

ですので乾材シロアリが排泄した糞にはほとんど水分がなく、カラカラな状態な場合がほとんどです。

木に空いた穴からゴマ粒がこぼれ落ちるようなイメージです。

この糞を発見することが、乾材シロアリ発見の第一歩となるケースが多いです。

 

 

乾材シロアリの羽アリ

 

また、アメリカカンザイシロアリもヤマトシロアリ等の土壌性のシロアリのように羽アリが群飛して、たどり着いた先の木材内に営巣します。

ヤマトシロアリやイエシロアリの羽アリは、群飛してたどり着いた先での生息率は、わずか 0.1% 以下と言われていますが、乾材シロアリでは正確な数値は分かっていませんが、実績を鑑みるとヤマトシロアリなどのそれとは比べものになりません。

 

群飛する時期も、ヤマトシロアリなどのように限られた期間ではなく、だいたい3月~11月くらいが目安ですが、12月の冬の時期でも確認された例もあります。

要するに1年中に近い状態です。

 

 

乾材シロアリの対策 駆除と予防

 

乾材シロアリは先述のとおり、人為的に持ち込まれる家具や木材の内部に営巣しているため、そういった意味での予防は、入手経路や産地、または製品の外観などに「気を付ける」くらいしかありません。

 

駆除については、生息が確認されたところを片っ端から燻蒸するしかありません。

被害状況から、建物の一部か若しくはある程度の範囲をビニールシートなどで密閉し、ガス化する薬剤で燻蒸します。

 

とは言いましても、ヤマトシロアリなどと違って、国内で営巣が確認された地域は、首都圏や関西、九州の一部だけであって、愛知や岐阜など東海地方ではまだ確認されていないのが不幸中の幸いでしょうか。

 

 

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