シロアリの薬剤や作業の知識を得て 悪徳業者や無知な業者に備えよう

 

シロアリの薬剤や作業の知識を得て 悪徳業者や無知な業者に備えよう

 

 

最近のシロアリ業者は、マニュアル化が進み、環境の異なるお客さまに対して、一律に大量の薬剤をまいて高額な費用を請求します。

それは例えるなら、お医者さんが診療に来たたくさんの患者さんに、同じ薬を同じ量 処方するようなものです。

患者さんによって、症状も体重も年齢も性別も体質など、異なる条件があるにもかかわらず。

 

知らないうちにムダなお金を払わされないよう、少し自己防衛しましょう。

 

 

 

<シロアリ薬剤について>

 

薬剤には大きく分けて2つの種類があり、「忌避剤」と「非忌避剤」といいます。

「忌避」とは嫌って避けることを言い、「忌避剤」はシロアリの嫌う成分などを含むため、土壌や木部などに散布すれば、シロアリは嫌がって近寄りません。

防除においての効果は、忌避剤を散布した部分は加害されない点があります。

 

一方「非忌避剤」は、シロアリが好むニオイや成分を含むため、予防に際に木部などに塗布してもその部分は加害を許容することになりますが、非忌避剤は有効成分が「マイクロカプセル化」されているため、薬剤を巣に持ち帰って、ドミノ効果によってその集団の全滅を図ることを目的としています。

しかしどちらの薬剤を使用するかはあまり問題ではなく、あくまでも基礎周辺を含む家屋の構造や環境を鑑みて、点検を主体とするものであり、薬剤は補助として使用するものです。

また薬剤には土壌用(コンクリートも含む)と木部用があります。
 

 

<薬剤のまき方と効果について 布基礎>

 

薬剤をまけばシロアリが来ないということはありません。

本来の正しい薬剤のまき方をしてもシロアリの勢力によっては処理層を突破されますので、現在のシロアリ業者のような間違った方法では尚更です。

現在の薬剤は、水希釈による液状タイプが一般的で、点検口から潜入し動力ポンプなどで散布しただけでは、土壌であれば1cm程度しか浸み込みません

 

シロアリの生態を加味して、基礎に沿って土壌を耕すように線状に散布する必要があります。

土壌の表面に少々(1cm程度)の薬剤処理層があっても、ヤマトシロアリでも数千~1万匹というレベルで活動していますので、例えば薬剤処理層にシロアリ集団の先頭グループが突入した場合、忌避剤であればその場で死にますし、非忌避剤であればある程度の数の仲間に伝播して先頭グループの周辺のシロアリは死滅するが、先頭グループがある程度処理層を崩しているので、今度は第2グループがまた突入して死滅して、、と次々に突入しますので先述のとおりシロアリ集団の勢力次第で、如何ようにも突破されるであろうことは、想像に難しくないと思います。

非忌避剤の薬剤が散布されていようと、少量のマイクロカプセル製剤が際限なく効き続けるわけではないので、処理層を突破するために必要なシロアリの頭数がいれば、やがて突破されます。

 

勢力次第で突破されるというのはそういうことです。

 

逆に処理層は厚ければ厚いほどシロアリに突破されにくい、というのはお分かりかと思いますので、表面的にまいただけでは突破される可能性がある、というのもまたお分かりいただけるかと思います。

 

 

 

<薬剤のまき方と効果について ベタ基礎>

 

布基礎と比べてベタ基礎はそれだけで防蟻性能があるため、予防作業も布基礎よりも容易です。
布基礎の場合は薬剤の散布が必要ですが、ベタ基礎の場合は全く不要な場合もあります。

 

基本的に薬剤は液状で、水希釈するタイプがメインですが、希釈した後の薬剤はほとんどが水ですので、例えば20坪程度の家屋にまく場合は約200リットルになりますが、190リットル以上(お風呂一杯分)が水であり、床下は水たまりだらけです。

 

一般的なシロアリ業者は、普段から床下の湿気にうるさく、換気扇や調湿炭などを勧めることとは明らかに矛盾します。

それよりも一度に大量の水をまき、それが蒸発するため床下の合板部分は湿気の影響を受けての劣化が考えられます。

また居住者によっては、大量に蒸発する湿気から体調不良を訴える方もおり、約200リットルもの水をまくので当然と言えば当然です。

薬剤散布が必要なポイントは、ベタ基礎の底面を上下に貫通する穴(給排管等)の周辺やコンクリのジャンカ部分もありますが、一番多いのが玄関ポーチや勝手口などの基礎と一体になっていない後付けの部分です。

 

そもそもシロアリ予防の考え方として、どう頑張ってもシロアリの侵入を完璧に断つことはできませんので、侵入されても気付けるように、土壌と床下木部の間はできるだけ見えるようにしておくことと、定期的に点検することが絶対条件です。

 

しかし玄関ポーチなどは、ベタ基礎とは一体化せず後付することが多く、内面に隠れてしまい、目視することができません。(ベタ基礎を上下に貫通する給排管等は、床下に潜れば見えますが)

 

そのため、できれば基礎と一体化するのがベターですが、それが無理ならせめてコンクリでポーチの枠を作り、中に土砂を入れた時点でその土砂に薬剤処理をしておくと効果的です。

 

ついでに言いいますと、ベタ基礎を打つ前の土壌に薬剤処理をするのがベストです。

如何でしたでしょうか? 要点をかいつまんで説明してきましたが、 ご不明な点はお気軽にお尋ねください。

 

 

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